Activity Report

動報告

【大野公民館】大野WEB歴史散歩2
2023.06.16

5月26日(金)、雨が心配されましたが受講生とスタッフの祈りが届き、市民講座「四倉フィールドワーク①四倉の小川江筋めぐり」を無事開催しました。よつくらだより編集長の吉田靖氏に講師を務めていただき、受講生12名は月田寺での開講式後、13時40分やや強い風に吹かれながらスタートしました。大森隧道(トンネル)、名木水門、五箇村用水との交差箇所を通り、江筋の最終地点である仁井田水門へと向かう行程約6kmの道のりです。随時、講師から丁寧でわかりやすい解説があり、江戸時代における江筋の様子が、ありありと目の前に浮かんできます。

月田寺付近 名木水門付近
途中の田園風景 仁井田水門付近

小川江筋は小川地区の夏井川から引いた用水路で、約350年前、当時の郡奉行であった澤村勘兵衛が工事を起こし完成しました。夏井川は田畑より低い所を流れていたため川の水の恩恵を受けられず、農民は度重なる干ばつに苦しんでいました。藩命を受けた勘兵衛は江筋開削の総指揮をとり、自分の私財も投じて工事に尽力し、平窪、鎌田、中塩、四倉を通って仁井田川につながる約28kmの用水路を完成させました。小川江筋がなかった時代は、夏井川以北の四倉の土地は荒れ放題でしたが、完成後は美田が広がったということです。

また、小川江筋の特筆すべき点は、自然の景観を損なわせず、地形と水の流れを巧みに利用し効率的に水を取り入れていること、現在に至るまで大きな改修工事等はしていないことです。受講生からは「当時の土木技術のレベルの高さに感心しました」、「先人の築いた江筋は私たちの宝です」との感想をいただき、貴重な文化遺産を守り後世に伝えていくことの大切さを実感しました。しばらくはご飯を食べる時に小川江筋の光景を思い出しそうですね。澤村勘兵衛に感謝を捧げながら。

説明傾聴中の受講生 江筋の水を引いた田

フィールドワーク形式の市民講座は準備に労力を要しますが、現地学習でしか学べない貴重な体験を得ることができます。受講生の皆様、講師の吉田様、協力していただいた月田寺様に心から厚く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

今年度の後期は、秋の田圃を見ながら国指定重要文化財の木造地蔵菩薩立像で有名な長隆寺まで歩く長友地区を舞台にした地域を知る講座と、昨年も好評だった平将門伝説で知られる恵日寺と滝夜叉姫の墓、玉山古墳などを訪ねる歴史ウォーキングを予定しています。歴史ファンの方にはたまらない内容かもしれません。さあ歴史遺産の里、大野へ。たくさんのご応募をスタッフ一同心からお待ちしております。

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