Activity Report

動報告

【大野公民館】14世紀に思いを寄せて ≪市民講座≫「四倉フィールドワーク① 長隆寺の旧国宝」
2025.11.07

毎回好評をいただいております、歩いて学んで健康になれる歴史ウォーキングをご紹介します。

大野公民館を出発後、田園にたたずむ雷神様と一本杉を見学、長隆寺の旧国宝「木造地蔵菩薩像」を特別見学し、最後に十九夜塔を訪ねる約4kmのコースです。爽やかな秋晴れの中、受講生は大野公民館に集合しました。「ずっと旧国宝を見たかったです」「歴史が大好きです」「3回目の応募でやっと当選しました」「四倉の風景が大好きです」全員、出発前から期待に胸を膨らませます。

 

さあ出発です。郷土歴史研究家の馬上先生に引率いただき、黄金色が残る田園風景の細道を歩きながら一本杉に着きました。現在、市内で五穀豊穣を願う「雨呼ばり」と言う儀式が残っているのは、ここ玉山地区だけとのことです。これからも伝統が続いてほしいと受講生は願いました。

 

次に、約1kmを歩き溝江の地蔵堂に立ち寄りながら長隆寺に到着しました。石段を一歩一歩踏みしめながら上る受講生。いよいよ真っ赤な地蔵堂の中に安置された木造地蔵菩薩像を拝観します。

 

堂内に入ると、息を呑み神妙な表情で菩薩様を見つめる受講生。高みからはるか遠方を無表情で見つめる姿に圧倒的な力を感じます。まるで自分の心の奥まで見透かされているように。

 

いつもは閉まっている本堂も特別に拝観させていただきました。親しみやすい雰囲気に気持ちが和みます。

 

最後は十九夜塔に立ち寄ります。特定の月齢の晩に当番の家に集い飲食や会話を楽しみながら、月の出を待つ民間信仰行事の記念碑です。覆屋の中に安置されている如意輪観音像は、十九夜・二十一夜・二十二夜の守り本尊として、女人だけで安産や子宝祈願をしたそうです。現在は形を変えながら地元の風習として残っています。

 

 

 

夕暮れの田園地帯を歩き公民館に戻った受講生。

「歴史の詳しい先生の話を聞きながらお参り出来て良かったです」「今日は天気も良くいい運動になり、そして大変勉強になり楽しい時間でした」「旧国宝と素晴らしい仏像を見ることが出来てとても気持ちがいいです」全員の表情は生き生きと輝いていました。皆様の充実した表情を見て、私達スタッフも心から喜んでいます。

 

馬上先生、良い一日をありがとうございました。地域の歴史を学び、自然の豊かさに心を委ねながら皆で楽しく歩く歴史ウォーキング。小さな歩く旅の行き先は、夕暮れ色の空まで続いています。

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